愛犬・愛猫の健康をサポートするために、腸内環境を整えることがとても大切だって知っていましたか?腸活が腸内フローラ(腸内細菌)のバランスを整えることで、免疫力アップ消化不良の予防にもつながります。

今回は、その腸活に効果的な成分イヌリンに注目して、犬や猫の腸内環境をサポートする方法を紹介します。

イヌリンって何?

イヌリンとは、菊芋やチコリの根、ごぼうなどに多く含まれている水溶性食物繊維の一種です。血糖値の管理や便秘の改善にも効果が期待されている成分です。

イヌリンが入った飲み物やヨーグルトを見たことあるかも!

サプリメントなども市販されているみたいだよ

イヌリンは、人間に対してのさまざまな研究で腸内環境の改善や血糖値のコントロールに役立つことが示されています。

①腸内フローラの改善

腸内の環境を整えるには菌の中でも善玉菌と呼ばれる菌が優勢な状態をつくることが大切。善玉菌を増やすには、生きた善玉菌を含む食品を直接とることや、善玉菌が好んで食べる「エサ」を摂取することが大切です。この善玉菌が好んで食べる「エサ」が、イヌリンなどの水溶性食物繊維やオリゴ糖なんです。

イヌリンが腸内で善玉菌のエサとなり善玉菌を増やしたのちに、短鎖脂肪酸という物質を産生することにより腸内環境を整えます。

さらに、腸内細菌を元気にすることで、腸内でビタミン(B1・B2・B6・B12・K・ニコチン酸・葉酸)や短鎖脂肪酸の産生が活発になり、腸内環境の改善だけでなくさまざまな健康効果が得られると言われています。

②血糖値のコントロール

食べ物を食べると、血糖値が上昇します。食後に血糖値が上がること自体は自然な反応ですが、急激に上がったり、高い状態が続いたりすると良くありません。

食事の中で食物繊維を一緒にとると、消化・吸収がゆっくりとなるため血糖値が急激に上がるのを防いでくれます。イヌリンの食物繊維で糖の吸収を緩やかにするため、血糖値の急上昇を防ぐことができると言われています。

③便秘の改善

食物繊維の中でも主に水溶性食物繊維の多くは、水に溶けると粘度のある液体となり、食べ物が移動するスピードを緩やかにする働きがあります。水溶性食物繊維であるイヌリンは、腸内で水分を含みゲル状になることで便を柔らかくし、スムーズな排便を促します。

これらのデータは 主に人間の研究によるもの であり、犬や猫への効果はまだ十分に証明されていません。しかし、犬や猫の腸内環境を整えることは健康維持に重要なため、イヌリンがどのように作用するのか、今後の研究に期待が集まっています。

なぜ「天然のインスリン」と呼ばれるのか?

イヌリンが「天然のインスリン」と呼ばれるのは、その 血糖値を緩やかにする働き によります。

  1. 糖の吸収を遅らせる
    イヌリンは消化されにくく、小腸での糖の吸収を遅らせます。その結果、食後の血糖値の急上昇を防ぐ効果が期待されます。
  2. 腸内細菌が短鎖脂肪酸を作り、インスリンの働きをサポート
    イヌリンが腸内で発酵すると短鎖脂肪酸が生成され、これが インスリンの感受性を高める ことがわかっています。つまり、体内のインスリンがより効果的に働き、血糖値を安定させるのに役立ちます。
  3. 満腹感を高める
    イヌリンは水を吸って膨らむ性質があり、胃の中で長く留まるため、満腹感を持続させる効果があります。これにより、食べすぎを防ぐことにもつながります。

ペットの腸活と食事の関係

ペットの腸内環境を整えるためには、食事の選び方がとても重要です。食べるものによって腸内にすむ細菌の種類や、腸の働きは大きく異なります。たとえば、

  • 犬(雑食)
    植物や動物の両方を消化できる消化器官を持っています。食物繊維もある程度は必要ですが、肉の消化にも適応しています。
  • 猫(完全な肉食)
    動物性タンパク質を主な栄養源としています。植物性の食材を消化する力は犬よりも弱く、必要以上の食物繊維はかえって消化不良の原因になることもあります
  • うさぎ(草食)
    植物繊維の分解に特化した腸を持っており、腸内の細菌バランスも大きく異なります。

このように、腸内環境を整える「腸活」も、それぞれのペットに合わせた方法で取り入れることが大切です。

腸活のためのペットフード選び

ペットフードにはさまざまな種類がありますが、ペットの腸の健康を考えるなら 「食物繊維」「発酵食品」「オメガ3脂肪酸」 などを含む食材を意識して選ぶのがポイントです。

  • 食物繊維が豊富な食材(プレバイオティクス)
    腸内の善玉菌のエサとなり、腸の動きをサポートします。
    さつまいも/かぼちゃ/ごぼう/にんじん/イヌリンを含む 菊芋・ごぼう・チコリ
  • 発酵食品(プロバイオティクス)
    腸内の善玉菌を増やし、腸内フローラを整えます。
    無糖ヨーグルト(犬はOK、猫は乳糖不耐症に注意)/納豆(少量ならOK)/乳酸菌入りのペット用サプリメント
  • オメガ3脂肪酸を含む食材
    腸の炎症を抑え、腸内環境を整える働きがあります。
    えごま油/亜麻仁油/青魚(サーモン、イワシなど)

犬や猫にとってのイヌリンの効果とは?

最近の海外の研究では、犬や猫の食事にイヌリンを混ぜた際の変化が報告されています。
犬の場合は便の水分量が増えてスムーズに排便できるようになり、猫の場合は便の排出量が増えたという結果が出ています。

これは、イヌリンに含まれる水溶性食物繊維が腸内で水分を含み、ゲル状になることで便をやわらかくする働きがあるためだと考えられます。

猫にも食物繊維は必要?

犬と猫を比べると、猫の方が肉食性が強いため、一般的に食物繊維の重要性はそれほど意識されていません。しかし、自然界では草食動物を捕食することで、血や内臓を通じて野菜由来の成分を摂取し、さらに胃の内容物から食物繊維を取り入れることもあります。

しかし、今の日本の飼育環境では、「捕食」を通じて食物繊維を摂ることは難しいですよね。そこで、イヌリンのような水溶性食物繊維をうまく活用することで、猫の腸内環境を整える手助けができるのではないでしょうか。

ドライフード vs. 手作り食

最近はペットのために手作り食・生肉食を作る方も増えてきていますよね!何のフードを食べているのかなどの、食事の種類によっても腸内の環境は変わってきます。

食事の種類メリットデメリット
ドライフード栄養バランスが整っている、保存が簡単食物繊維が少なく、腸内環境を整えにくいものもある
手作り食食材を選べる、腸活食材を取り入れやすい栄養バランスを整えるのが難しい、手間がかかる

ただし、ドライフードでも 食物繊維が豊富なものや乳酸菌入りのもの を選べば、腸内環境を改善する助けになります。また、手作り食で腸活トッピング食材を取り入れると、より効果的に腸を整えられます。

まとめ

人間に対しては腸内環境の改善や血糖値のコントロールに役立つとわかっているイヌリン。犬や猫へ効果の検証がまだ少ないですが、腸を整え、毎日をイキイキ過ごせる活力になる一助になりそうです!

うちの子は決まったフードしか食べてくれないから、難しいかも…

フードにちょっと足してできる腸活は取り入れやすいかも!

毎日の食事に、おやつに、気軽に腸活できる「米たみい」やサプリメントがおすすめです!愛する家族がずっと元気に過ごせるよう、毎日の食事から、腸活をサポートしていきませんか?

ヨーグルトのイメージ